MAYBE TOMORROW
最終章 I Will Love Again
「リンリ~ン」と鈴のような音色が耳元でする。
電話がなっているのだ。

といっても昔のような武骨な黒色で愛想のかけらもないような
代物ではなくて「携帯電話」というやけに可愛らしく小さなものだ。

なんと手のひらに入ってしまう。

「ミレニアム」で世界中がはしゃぐように賑わってから
すでに四、五年がたつ。

こんなちいさな、でも便利でもありときには迷惑でもある
「小型の電話」を多くの人が持つようになってから、
もう十年にはなる。

わたしは齢四十を過ぎた。

電話の主は義理の妹。

「お姉さん、今日はよろしくお願いします」
との確認の電話だった。
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