時空を飛び越えました~私の知ってる新撰組ではないようです~
「故意的にってんなら、相手がコイツを探し回ってるだろう。とりあえず、様子を見るしかねーな」
トシさんの言葉に、全員が頷いた。
『あの、ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします』
故意的という部分に恐怖と疑問を覚えながら、頭を下げる。
もうすでに、帰りたい気分だけど。帰れる家が無い。
「とりあえず、全員自己紹介をしてあげなさい。彼女も困るからね」
大らかに笑う近藤さんを見ていると、不安が少し和らいだことに気づいた。近藤セラピーか。
誰かに連れてこられた、と言われても思いつく人物はもちろん居ない。
なら、考えても仕方ないよね。
まったく気にしないといえば嘘になる。
しかし、頭の情報整理が追いついていない。もう少し、その案件は保留でお願いします。
脳内で会議をしていたが、自己紹介をしてくれるらしいので一時中断した。