時空を飛び越えました~私の知ってる新撰組ではないようです~



一花はサッと視線を逸らしながら、味噌汁を飲み干した。二人のやり取りを見ていた斎藤は珍しい物を見るような目をしていた。


「今日が初めてとは思えないほど、仲がいいのだな」


『……仲は良くないです』


「ひどいなぁ、僕は仲良くしたいんだけどなぁ」


斎藤にかぶせる勢いで即答した一花に、沖田は感情の読み取れない笑みを浮かべた。


「おい!!漬物まで取るなよ!!」


「早いものがちだぁ!!」


「テメェら、黙って飯も食えねぇのかッッ!?!?!?」


未だに喧嘩をしている二人に、土方さんの雷が落ちた。とりあえず、土方さん怖い。


「すまないな、朝日奈君。騒がしくて」


申し訳なさそうに、眉をたらす近藤に一花はブンブンッと首を振った。


『いえいえ、賑やかな方がいいですし』


「そう言ってくれたら、助かるよ」


大らかに笑う近藤に、一花も笑った。なんかお父さんって感じ、そんなこと言ったら失礼か。


< 34 / 84 >

この作品をシェア

pagetop