時空を飛び越えました~私の知ってる新撰組ではないようです~
招かれざる客
ハァ…ハァ………ハァ……ハァ……。
なに??煩い……。
近くで聞こえる不規則な息遣いが、妙に耳につき一花は嫌々に目を開いた。
暗闇で、正体が見えない。
寝起きでポヤーッとしていた視界が、段々とクリアになっていく。
それとともに、開けられた襖から月明かりで照らされた、安眠妨害の来客の姿を照らした。
一花は息をするのも忘れ、硬直した。
『……えッ』
青黒い肌、焦点の定まっていない目、明らかに人間ではないモノがそこにはいた。
ポタリと頬をいくつもの水滴が落ちる。水滴??そうではない、これは血だ。
瞳がグルリと周り、血と涎の零れる口元がニタァッと孤を描いた。
『あ、ぁ……いやぁぁぁぁぁぁッ!!!!』
喉が瞑れるぐらい、大きな叫び声を上げた。足と手で、目の前にいる得体の知れないモノを突き飛ばすと、部屋からバッと飛び出した。
廊下から庭へ飛び出し、助けを求め逃げ惑った。