時空を飛び越えました~私の知ってる新撰組ではないようです~
『ありがとうございました』
「別に、夕餉の借りを返しただけ」
『そう、ですか。でも、ありがとうございます』
頭を下げながら、何度もお礼を言う一花に沖田はため息を吐いた。
「もういいって。それにしても、ずいぶんな怪我だね」
沖田に指摘された一花は、転んだときの怪我に視線を向けた。
『さっき転んでしまって。ドンくさいですね』
「……そっちもだけど、こっちの方が酷いよ。裸足で、痛かったでしょ??」
裸足で、庭に下り走って逃げた。先ほどまで気にはしていなかったが、掃除がされているとはいえ、小石や小枝の落ちているそれを踏んだ足が綺麗なままな訳もなく。
『……痛い』
「だろうね。まったく、まぁ助けが遅くなったのが原因だし、責める資格ないけどね」
もう一度沖田はため息をつくと一花の傍に膝をつく、そして何も言わず一花を持ち上げた。
『ん??……んん!?!?!?』
一瞬なにがおきたのか分からず、瞬きを数回したが徐々に状況を理解し始め顔を赤らめた。
『お、降ろしてください!!』
沖田に横抱きにされた一花は、抵抗した。恥ずかしい、ただ恥ずかしい!!