時空を飛び越えました~私の知ってる新撰組ではないようです~
部屋に入り一花を畳の上におろした沖田は、手際よく明りに火をつけた。
月明かりではなく、しっかりとした明りで照らされた彼の姿に一花はヒュッと息を呑んだ。
言葉では言いあらせない。
「……僕の姿、怖い??人とは違う姿」
視線に気づいた沖田は、首をかしげながら笑った。
『怖くないです、ただ』
「ただ??」
『凄く綺麗だなって、見とれてました』
「え」
『え』
パチクリと二人で見詰め合う。一花は自分の無意識に言った先ほどの言葉を思い返し、顔を赤くしながら弁解した。
『あ、いや。ほら、沖田さんって元々美男ですけど、今の姿はより一層綺麗というか、果かなげな感じで、それが美しいというか!!』
コレ弁解じゃない!!止まって私の口!!恥ずかしい!!
「ちょっと、やめて。もう……わかったから」
沖田に手で口をふさがれ、やっと止まった口。落ち着きを取り戻した一花の目に、顔を真っ赤にした沖田の姿が映った。
――コンコンッ
「失礼します。手当てをしに……何をしているのですか」
いいタイミングで入ってきた山崎は、二人の姿に眉を寄せた。