時空を飛び越えました~私の知ってる新撰組ではないようです~
『あ、いやなんでもないです』
「……はぁ。とりあえず手当てをしましょう」
山崎はテキパキと一花の手当てを終らせた。
「とりあえずは、コレで大丈夫でしょう」
『ありがとうございます』
「さてと。君さっさと寝ないと、明日起きれないよ。もう寝た方がいいんじゃない」
手当て中一度も喋らなかった沖田が、立ち上がりながら言った。襖を開け、出て行く背を一花は見送る。
「そうですね、今日はもうお休みになってください」
『はい、あの。ありがとうございました』
ペコリと頭を下げる一花に山崎は笑みを浮かべた。
「おやすみなさい」
『おやすみなさい』
救急箱を持ち山崎も、部屋を出て行く。足音が遠くになっていくにつれ、限界とばかりに涙が零れ始めた。