時空を飛び越えました~私の知ってる新撰組ではないようです~
洗濯機のありがたみ
朝餉を食べ終えた一花は、大きな樽と大量の洗濯物を前に呆然と立ち尽くした。
これは一体なんだろうか。
「朝比奈君、大丈夫か?」
心配そうに顔を覗きこんでくる山崎に、一花はぎこちなく頷いてみせた。
『ここまで、溜め込んで皆さん着るものんあるんですか?』
皮肉ではなく、率直にそう思った。なにせ、量が異常なのだ。
「何日も同じ物を着ているものが大半ですので」
『と、とりあえずこの板に擦りつければいいんですね』
「はい、そうです。自分も一緒にしますので、わからないことがあれば聞いてください」
樽に水をためていた一花はキョトンと目を丸めた。
『山崎さんも、お仕事があるでしょう?大丈夫なんですか?手伝っていただくのは嬉しいですけど』
「自分の現在の任務は、貴女に仕事を教える事ですから。心配要りませんよ」
フフッと笑う山崎の姿はまるで、仏のようだと一花は心の中で合掌した。