時空を飛び越えました~私の知ってる新撰組ではないようです~
「誰のって、もちろんお前のだよ」
キョトンとする藤堂に、一花も首をかしげた。
よく言いたい事が分かったな。
『あれ??心を読まれた』
「朝比奈君、心の声が漏れていますよ」
山崎に指摘され、バッと口に手を当てた。
『本当ですか!?しまった』
「とりあえず、今日の夕餉は豪華にしてくれって土方さんや近藤さんが言ってたぜ!!伝えたからなぁ!!」
ダダダッという勢いで、藤堂は走り去っていった。
『風のようだ』
小さくなっていく背中に、ボソリと呟く一花。隣に立っていた山崎は呆れたようにため息をついた。
「さて、洗濯も終わりましたし、今日のお仕事は終わりにしましょう」
『終りですか??でも、食事の手伝いが』
「今日の夕餉は貴女の歓迎会をかねてですから、今日は結構ですよ。また明日からお願いします」
わかりましたと頷きはしたものの、本当にいいのだろうかと考え込んでいると、不意に腕をつかまれた。