時空を飛び越えました~私の知ってる新撰組ではないようです~
「君この後することないでしょ??どうせなら、出かけない??」
つかんだ腕の主は、先ほどまで縁側にいた沖田のものだった。
いつの間に!?
瞬間移動してきたのかと一花は目を白黒させた。気配を一切感じなかった、一般人だから気配もなにもないけど。
『いえ、でも』
勝手にそんなことしてもいいんだろうかと隣の山崎を盗み見ると、彼はまた重いため息をついていた。
「あなた、サボりたいだけではないんですか??」
「考えすぎだよ山崎君。彼女だって息抜きは必要じゃない??」
山崎は苦い顔をしたが、諦めたように頷いた。
「そうですね。ずっと屯所にいるのも息が詰まるでしょう。副長への報告は自分からしておきます」
興味がなかったわけではない屯所の外にいける。抑えようとしても、計り知れない嬉しさがにじみ出る。
『山崎さん、有難うございます!!』
キラキラと目をさせ、一花は山崎を見上げた。外だぁ!!
ブンブンッと見えないはずの尻尾が一花についている。山崎は、撫でたいという衝動を必死に押さえ込んだ。