時空を飛び越えました~私の知ってる新撰組ではないようです~
初の町と夕立
許可がおりた一花と沖田は、屯所をでて町を散歩し始めた。
すれ違う人ではない彼らに、一花は視線をキョロキョロとさせた。
一つ目の大工さんに、のっぺらぼうの八百屋さん。興奮が押さえきれない。
『沖田さん、あれはなに屋さんですか?』
「あれ?あれは、小物屋さんだよ。櫛とか簪とかを売ってるんだ」
小物屋さん。女子の大半が反応する単語に、例外なく一花も大きく反応した。
「気になるなら、行ってみる?」
キラキラとした一花の目をみて、沖田は笑いを押させながら提案した。
『で、でも』
「まぁ、見るだけでお金はとりゃしないから。ほら、いくよ」
強引に沖田に手を引かれ、一花は吃驚しながらついていった。
店の中に入ると、優しい笑みを浮かべた男性が出てきた。