時空を飛び越えました~私の知ってる新撰組ではないようです~
◆侵され始める日ノ本
あぁ、まずい。非常にまずい。
傷ついた体が悲鳴を上げるように痛む。小さな狐は、自分を傷つけた相手を睨み上げた。
「ほぉ、まだ戦う元気があるようだな」
睨みつけられた男は、楽しげに笑みを深めた。
「……お前たちの好きにはさせんぞ」
「何とでも言えば良い……最終的にこの国を治めるのはこの私だ」
狐は威嚇をするように、牙をむき毛を逆立てた。
「そのような行い、俺が許さぬッ!!」
「なんと言おうと、今のその姿でお前に何が出来る」
痛いところをつかれ、狐はグッと押し黙った。助けを呼ぶしかない、狐はたっと駆け出した。
「捕らえますか??」
暗闇から現れた女は、面白そうにクツクツ喉を鳴らす男に声をかけた。
「ほっておけ、たかが狐に何が出来るという」
「承知しました」
「……さて、皆のもの。侵略を始めよう」
男は、ニヤリと笑った。