政宗かぶれの正志くん
プロローグ
隣に座る友人、晴香が「ごめんって」とビールを差し出した。
それを奪うように受け取り、喉に流し込んで、現状を再確認してみることにする。
ここは財布に優しい値段設定が売りの、居酒屋チェーン店。
現在平日の18時前だからか、周囲には学生と思われるグループが多い。
私、金山愛姫も例に漏れず、ここから程近い大学の学生だ。
今朝、友人である晴香が「話がある」と神妙な表情で話しかけてきた。
ノーテンキにノーテンキを重ねた様な彼女の、いつもとは違うただならぬ様子に、バイトのシフトを何とか変わってもらって指定されたこの場に出向いた。
すると、そこにはにこやかにこちらへ手を振る晴香と、晴香のサークル仲間の雪乃。
その向かいの席に、見ず知らずの眼鏡男子が3人。
どう見ても、『合コン』でしかない。
「…テメェ、図ったな…」
思わず出てしまった、私の地を這うような低い呟き。
それに対して、彼女は悪びれもせずに「ごめんって」と笑ったのだ。
渡されたビールは詫びのつもりか、駆けつけ一杯のつもりか。
思わず素が出たせいで眼鏡男子は引き気味だし、とんだ災難だ。
数秒で空けてしまったビールジョッキを、今更ながら女性らしくソッと机に置く。
「この子、言葉遣いは悪いけど、いい子だから!怖がらないでね!」
さすが、ノーテンキ。
フォロースキル、ゼロ。
それを奪うように受け取り、喉に流し込んで、現状を再確認してみることにする。
ここは財布に優しい値段設定が売りの、居酒屋チェーン店。
現在平日の18時前だからか、周囲には学生と思われるグループが多い。
私、金山愛姫も例に漏れず、ここから程近い大学の学生だ。
今朝、友人である晴香が「話がある」と神妙な表情で話しかけてきた。
ノーテンキにノーテンキを重ねた様な彼女の、いつもとは違うただならぬ様子に、バイトのシフトを何とか変わってもらって指定されたこの場に出向いた。
すると、そこにはにこやかにこちらへ手を振る晴香と、晴香のサークル仲間の雪乃。
その向かいの席に、見ず知らずの眼鏡男子が3人。
どう見ても、『合コン』でしかない。
「…テメェ、図ったな…」
思わず出てしまった、私の地を這うような低い呟き。
それに対して、彼女は悪びれもせずに「ごめんって」と笑ったのだ。
渡されたビールは詫びのつもりか、駆けつけ一杯のつもりか。
思わず素が出たせいで眼鏡男子は引き気味だし、とんだ災難だ。
数秒で空けてしまったビールジョッキを、今更ながら女性らしくソッと机に置く。
「この子、言葉遣いは悪いけど、いい子だから!怖がらないでね!」
さすが、ノーテンキ。
フォロースキル、ゼロ。