政宗かぶれの正志くん
「そういうことなら帰る」と言いかけた私を「まぁまぁまぁまぁ」と席に座らせた晴香は、すかさず
「はい、こちら。言葉以外はとても綺麗な金山愛姫ちゃんでーすっ!」
と男性陣に向けて私を紹介した。
小悪魔女子なら、「女友だちを誉めてる私、素敵でしょ?貶してる?うそっそんなことしてないもんっ」的な計算があるのだろうけど、晴香はそんな地頭を持ち合わせていない。
ついでに、私が自分の名前を嫌っていつも「金山です」としか名乗らないこともスコーンと忘れてしまっているようだ。
「あ、いひ?」
そう聞き返す男性Aに、ご丁寧にも「愛する姫って書くんだよ!かわいいでしょ?」なんて答えていて、脳内で晴香の口にオシボリを突き刺した。
本当に、恥ずかしいったらない。
21年前、子宝に恵まれなかった若夫婦。
ようやく訪れた待望の第一子誕生というスペシャルイベントに、テンションがフルスロットルしてしまったのだろう。
多大な疲れがあったのだろう。
目の前にいる生後1時間の猿顔がミスユニバースも世界三大美人も足下に及ばない、絶世の美女に見えたそうだ。
「何て愛くるしいの!お姫様みたいっ!」
で、つけた名前が『愛姫』
何故自分たちの顔を鏡で見なかったのか。
今すぐタイムマシーンを開発して、両親に鏡を突きつけてやりたい。
「はい、こちら。言葉以外はとても綺麗な金山愛姫ちゃんでーすっ!」
と男性陣に向けて私を紹介した。
小悪魔女子なら、「女友だちを誉めてる私、素敵でしょ?貶してる?うそっそんなことしてないもんっ」的な計算があるのだろうけど、晴香はそんな地頭を持ち合わせていない。
ついでに、私が自分の名前を嫌っていつも「金山です」としか名乗らないこともスコーンと忘れてしまっているようだ。
「あ、いひ?」
そう聞き返す男性Aに、ご丁寧にも「愛する姫って書くんだよ!かわいいでしょ?」なんて答えていて、脳内で晴香の口にオシボリを突き刺した。
本当に、恥ずかしいったらない。
21年前、子宝に恵まれなかった若夫婦。
ようやく訪れた待望の第一子誕生というスペシャルイベントに、テンションがフルスロットルしてしまったのだろう。
多大な疲れがあったのだろう。
目の前にいる生後1時間の猿顔がミスユニバースも世界三大美人も足下に及ばない、絶世の美女に見えたそうだ。
「何て愛くるしいの!お姫様みたいっ!」
で、つけた名前が『愛姫』
何故自分たちの顔を鏡で見なかったのか。
今すぐタイムマシーンを開発して、両親に鏡を突きつけてやりたい。