政宗かぶれの正志くん
「理由はわからない。聞くことすら許されなかった。育ててくれたのは父方の祖父だ。父が家にいる時は在宅を許されていたが、父がいない時はずっと預けられていた」
物心ついた時から続いたそれは今も彼の心を傷つけているのか。
多少変人ではあるものの、美人であり、東大にいける程の能力持ち。
何が気に入らなかったのだろう。
お腹を痛めて産んだ子のはずなのに。
この人は母親に愛されず、どれ程辛い思いをしてきたのだろう。
…胸が締め付けられる。
何か言ってあげたくて、何か励ましてあげたくて、でもそのための言葉は1つも浮かばない。
それでも何か言いたくて、「あのさっ!」と切り出した私の声を遮ったのは、伊達さんの力強い一言だった。
「まるで伊達政宗公のようだろう?!」
「…へ?」
勢い余ってちょっと前のめりになってしまった私に彼は続けた。
「よって、我は伊達政宗公の転生に違いな…」
「ちょっと待て!!!!!」
思わず彼の言葉を遮ってしまったけれど、仕方ない。というより、当然だと思う。
「…どうした?めご。大きな声を出し…」
「転生したって、まさか、それが根拠って言わないよね?」
え?何か問題でも?と言いたげなその面が肯定している。
返せ、私の悩んだ時間。
返せ、私の傷んだ胸。
『転生』を信じた私の純粋な気持ちをっ!
物心ついた時から続いたそれは今も彼の心を傷つけているのか。
多少変人ではあるものの、美人であり、東大にいける程の能力持ち。
何が気に入らなかったのだろう。
お腹を痛めて産んだ子のはずなのに。
この人は母親に愛されず、どれ程辛い思いをしてきたのだろう。
…胸が締め付けられる。
何か言ってあげたくて、何か励ましてあげたくて、でもそのための言葉は1つも浮かばない。
それでも何か言いたくて、「あのさっ!」と切り出した私の声を遮ったのは、伊達さんの力強い一言だった。
「まるで伊達政宗公のようだろう?!」
「…へ?」
勢い余ってちょっと前のめりになってしまった私に彼は続けた。
「よって、我は伊達政宗公の転生に違いな…」
「ちょっと待て!!!!!」
思わず彼の言葉を遮ってしまったけれど、仕方ない。というより、当然だと思う。
「…どうした?めご。大きな声を出し…」
「転生したって、まさか、それが根拠って言わないよね?」
え?何か問題でも?と言いたげなその面が肯定している。
返せ、私の悩んだ時間。
返せ、私の傷んだ胸。
『転生』を信じた私の純粋な気持ちをっ!