政宗かぶれの正志くん
まるで脅されて連行されているがごとく連れてこられた店長宅は、彼女の趣味なのか熊店長の野戦の戦利品なのかヒョウ柄で統一された家だった。
座るように促され座った座布団は勿論、ローテーブルにかけられたクロスも、飲みかけのお茶が入ったグラスもヒョウ柄。
何というか、生命力に溢れる2人とマッチした家だと思った。
寝室から戻ってきた店長嫁の手にはヒョウ柄のマグカップが2つ握られており、「まあ飲めよ」と手渡されたそこには真っ赤な飲み物。
トマトと蜂蜜のジュースだそうだ。
一瞬、獣の生き血かと思った。
「光輝は一度布団で寝れば朝までぐっすり寝れる親孝行者だから、ゆっくり話聞けるよ」
そう微笑んだ彼女がいつもより優しくて、何だかお姉ちゃんみたいで、一口飲んだジュースが甘くて、つい甘えたくなってしまった。
それでもなかなか口を開けない私に、彼女はまた微笑んだ。
「そういうところだ。お前は変に強いんだ。強がることに慣れすぎている。何を言われようが、何をされようが笑って口悪く返すお前が何となく危なっかしく感じるんだ」
「どこかに喜怒哀楽の哀を落としてきただろう?わかるよ、私もそうだったから」
そんな彼女の言葉に、私はぽつぽつと口を開き始めた。
座るように促され座った座布団は勿論、ローテーブルにかけられたクロスも、飲みかけのお茶が入ったグラスもヒョウ柄。
何というか、生命力に溢れる2人とマッチした家だと思った。
寝室から戻ってきた店長嫁の手にはヒョウ柄のマグカップが2つ握られており、「まあ飲めよ」と手渡されたそこには真っ赤な飲み物。
トマトと蜂蜜のジュースだそうだ。
一瞬、獣の生き血かと思った。
「光輝は一度布団で寝れば朝までぐっすり寝れる親孝行者だから、ゆっくり話聞けるよ」
そう微笑んだ彼女がいつもより優しくて、何だかお姉ちゃんみたいで、一口飲んだジュースが甘くて、つい甘えたくなってしまった。
それでもなかなか口を開けない私に、彼女はまた微笑んだ。
「そういうところだ。お前は変に強いんだ。強がることに慣れすぎている。何を言われようが、何をされようが笑って口悪く返すお前が何となく危なっかしく感じるんだ」
「どこかに喜怒哀楽の哀を落としてきただろう?わかるよ、私もそうだったから」
そんな彼女の言葉に、私はぽつぽつと口を開き始めた。