朧咲夜Another【短編・完】
0 偶発的な出逢い


――ちょーっと、やばめ?
 

人気のない簡素な公園で、咲桜は頬を引きつらせた。
 

目の前には男が三人。


恐らくは、詐欺グループの人間。


ここは田舎の無人駅で、おばあさんからコインロッカーの使い方を訊かれた咲桜は、怪しく思っておばあさんの行動を止め、警察に電話した。
 

――のだが、直後にこの男たちが現れて、おばあさんと一緒に駅の裏手の公園に連れて来られてしまった。


咲桜がかばうようにしているおばあさんはすっかり震えていて、今にも失神してしまいそうだ。


……この人だけでも助けないと。


「どうする?」


「そうだねえ……結構外見もいい子だね」
 

男たちは怪しい会話を繰り返している。


ちょっと待て。人を売り飛ばす気か?


「……腹立った」

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