朧咲夜Another【短編・完】


「ああ……朝間先生なら知ってるけど」


「うちのお隣なんだ。私のお母さん代わりみたいな人で、私的には父さんと――


「私の幼馴染みたいなものなんだよ。年は大分離れてるけどね。夜々ちゃん、学校ではどうしてる?」
 

あう、父さん来ちゃった。


咲桜としては、夜々子が本当のお母さんになったらいいなあ……と長年思っているのだけど。


「朝間先生……すみません、よく憶えてないです」
 

夜々さんを憶えてない? 咲桜は内心、小首を傾げた。


夜々子は小柄で、ふんわりとした可愛らしい印象で、ご近所さんで夜々子に気がある人は結構いるのだけど。


流夜のタイプではないのかな。


咲桜は、俄然可愛いと思っている。


「本当、事件にしか意識行ってないんだねえ、流夜くんは。成績とかは変わりないのか?」


「降渡(ふると)が留年したんで、一応三人並ぶ感じには変わりました」


「降渡くん、本当にやったのか……」
 

席に着いた在義が頭を抱えた。


ふるとくん、とは誰だろう。


「流夜くんのお友達?」


< 18 / 41 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop