朧咲夜Another【短編・完】
ガチャンッ
一緒に食事を初めていた在義が、何故か箸を取り落として食器に激突させた。
「え、どうしたの、父さん」
隣の咲桜は怪訝そうな顔をする。
向かいの流夜はしまったというような顔をした。
「え、ああ、いや、なんでも、ないよ?」
在義は咲桜の方はちらりとも見ずに正面を向いて答えた。
どうしてか、ドンドン流夜の顔色が悪くなっていく。
嫌いな食べ物でもあったのかな?
「それで、降渡くんの話だったかな?」
在義は箸を取り直して、気も取りなおしたように食事を再開する。