朧咲夜Another【短編・完】
「……愛子は、吹雪の叔母なんだ。吹雪と同じところで育ったから、知り合いではある」
なんと、愛子を流夜は呼び捨てにした。
「へー。マナさんの甥っ子さん……綺麗どころさんな気がする」
愛子が飛び抜けた美人だから、男の子だけどそんな感じがしてしまうなーと思っていると、流夜から険しい声が飛んだ。
「それ、吹雪には絶対に言うな」
「へ?」
「それを吹雪に言ったら、まず殴られるから」
「なんでっ?」
「自分の容姿は簡単に使うのに、美人って言われると暴虐になる」
「ええっ⁉ ど、どんなお方なの……」
流夜の友達関係が心配になる。