朧咲夜Another【短編・完】


「あー、吹雪くんは春芽くんに結構似てるよねえ」


「そ、それは、性格が? 見た目が?」
 

性格が、だったら、大分やばいことになりそうなんだが……。


「両方だな」


「両方かな」
 

えー……それは愛子の生き写しというのでは?
 

愛子と言えば、異例の若さで県警トップを務めるこの父をして、扱い切れなかった人物だ。


自由奔放というか……咲桜が幼い頃は、華取家への無断侵入もよくしていた。


一度在義が遭遇してぶち切れて通報しかけたのだが、お隣のお姉さんの夜々子にたしなめられて事なきを得た。


夜々子と愛子は咲桜の母親代わりを自認しているので、二人の結託は強い。


そして愛子の無断侵入も、家に一人で留守番をしている咲桜の様子を見るためだったり、風邪をひいた咲桜の看病のためだったりするので、在義も強くは出られなかったのだ。
 

と、まあ咲桜には優しいおねいさんなのだが、何分仕事においてその行動力を発揮されては……な人なのだ。


周りに色んな被害を振りまいて歩いている。

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