朧咲夜Another【短編・完】
「なんか春芽くん、逢ってみたいかも」
「え」
「咲桜は春芽くんのこともすきだからねえ」
流夜が絶句して、咲桜と愛子の仲の良さを知っている在義はのんびりとしている。
「だってマナさんのご家族なら、すきになれる自信あるよ?」
がしゃんっ
何故か今度は、流夜が箸を取り落とした。
「りゅ、流夜くん? 大丈夫?」
咲桜が顔を覗き込むと、明らかに視線がうろうろしていた。
「だ、だいじょうぶ、だ」
そして若干噛んでいる。