朧咲夜Another【短編・完】


「咲桜、こいつらに関わるなって言っただろ。変な影響しか与えないから」
 

真っ直ぐに咲桜のもとへ歩いてきて、流夜は厳しく言い放った。


「えーと、そっちから乗り込んでこられては……ど、どうしたっ? あの、流夜くんっ?」


「うん」
 

流夜が、むぎゅうっと抱きしめて来た。


「なっ……!」


「え、なに? りゅうどうしちゃったの?」


「………くくっ」
 

琉奏が絶句して、降渡が驚いて、吹雪は笑いを噛み殺している。


「りゅ、流夜くんっ? あの、人前は困ると言うか~」
 

咲桜が泡喰いながら手をわたわたさせると、そっと流夜は腕をほどいた。


「……人前じゃなかったらいい?」

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