朧咲夜Another【短編・完】


小さく問われて、咲桜は困ってしまう。


確かに今の言い方では、そう取られても仕方ないもしれない。


「……た、ぶん……」
 

咲桜も小さな声で返し――たところで、


「ちょ――――――っと待てぃ!」
 

琉奏に思いっ切り引き離された。


あ、遠くなっちゃった……。


「こら待て神宮! 変質者かてめえは! 何いきなり人の彼女に抱き付いてんだ!」


「え……そうなのか? 咲桜」
 

威嚇の様相の琉奏を無視して、流夜は咲桜に訊いて来た。


「体面上は。琉奏が告白を断る理由に、私が彼女ってことになってる。実際はただの友達」

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