朧咲夜Another【短編・完】


琉奏は、在義とも面識がある。その縁で、咲桜が琉奏のニセ彼女になったのだけど。


「在義さんは関係ない」


「簡単に言うと、流夜くんは私の命の恩人だな」


「……どういうことだ?」


「ちょっとヤバめの奴らに絡まれていたところを助けてくれた」


「はあ⁉ なんだそれ! 俺知らないんだけど!」


「言ってないしな。流夜くんのおかげで即解決したし」


「言えよ! 心配なんだろうが!」


「琉奏に心配されても……」


「確かに咲桜よりは腕もねえけど、心配ぐらいしていいだろ!」


「……琉奏が絡むとなんかめんどい」
 

咲桜の醒めた瞳は琉奏にはトドメだった。


「それより――」
 

琉奏の心配、それより扱いだった。


咲桜は降渡と吹雪を見遣る。

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