朧咲夜Another【短編・完】
「……えっ、いいんですか? 用事があるんじゃ……」
「バカな弟に、日本に来たから迎えに来いって言われてるだけだ。大したことじゃない。一日待たせても問題ない」
「……えーと……」
そんなに待たせるのはさすがに問題ではないか? そう思ったとき、パトカーのサイレンが聞こえて来た。
「もう大丈夫だな。あまり無鉄砲なことはするなよ」
「は、はい……」
全く反論の出来ない咲桜だ。
「あ、あのっ、あなたのことも説明しなくちゃなんですけど――」
「ああ。俺のことは、『さっきまで神宮がいた』って言えば、通じる」