朧咲夜Another【短編・完】
おばあさんと話していると、聞き覚えのある声に呼ばれた。
顔見知りの刑事が、二人やってきたところだった。
「どうしたんですか? まさかお嬢さんが振り込め詐欺に?」
「あっ、私じゃなくて、このおばあさんなんです。そっちに電話した直後にこの人たちが現れて……」
と、倒れている男たちを指さすと、警官の一人が咲桜を見た。
「まさかお嬢さんがのしたんですか?」
「違います! さっきまで、『神宮』さんっていう人がいたんです。神宮さんが助けてくれて、今は用事があるからっていなくなっちゃったんですけど――ん? どうしたんですか?」
説明を始めるとすぐに、警官たちから顔色がなくなった。
「神宮って、もしかしてすごいイケメンな高校生ですか?」