朧咲夜Another【短編・完】
「え? 私服だったから高校生かはわからないですけど……イケメンですね」
咲桜が首を傾げながら答える。
「やっぱり神宮くんか……」
「休日まで何やってんだ、あの子は」
「っつーか、自分で仕留めたんなら後始末もして行ってくれよ……」
なんだか二人の刑事が悲壮な顔をし始めた。
……知っている人だったのだろうか。
「あの?」
「あ――お嬢さん。お嬢さんが関わってるって、一応本部長には連絡しておきますけど、いいですね?」
「……はい」
咲桜は是非を問われても、是非もなく肯くしかない。
お説教ルートか……。笑顔で怒る父の姿を思い出して、内心落ち込んだ。
「あの……お姉さん、刑事さんたちとお知り合いなの?」