先輩、一億円で私と付き合って下さい!
「わかりました。その時が来たら、全てをお話しします。ただ、その時、私は……」
「ん? なんだ?」
「いえ、なんでもないです。とにかくその時までは、私を彼女として先輩の傍に置いてくれますか?」
「それは最初に約束した通りだ。だから、こうやって俺はお前を助けに来たんじゃないか」
「ありがとうございます」
ノゾミはほっとしたように、表情を緩ませたが、寂しげに陰りが見えた。
まだ不安な要素が残っているのだろうか。
だから俺は、安心させようと再び彼女を抱きしめ、そしてその延長でノゾミにキスをしようと顔を近づけた。
そうするのが男の本能というのか、俺は自分の意思に逆らえない感情の流れに流されていく。
学校の中の誰も来ない秘密の場所。
俺たちだけがここで抱き合い、いけない事と認識しながらもそれを突き破って行動を起こすこの瞬間。
ドキドキと胸が高鳴り、今から体験するワクワク感が、俺の体を動かすエネルギーとなり、俺はノゾミに欲望をぶつけようとしていた。
理性というものが頭の片隅で存在しながらも、平気で無視をし、流されるままの感情があった。
この時は、思春期の好奇心と約束を交わした事への律儀的な行為だと思っていた。
色々と言葉を並べてみても、結局自分でもなぜキスをしようとしたのか、はっきりわからないまま、俺はノゾミの顎をくいっと持ち上げた。
ノゾミの驚きが、喉を反射して小さく漏れた。
俺たちの唇がそっと重なろうとしていた──
「ん? なんだ?」
「いえ、なんでもないです。とにかくその時までは、私を彼女として先輩の傍に置いてくれますか?」
「それは最初に約束した通りだ。だから、こうやって俺はお前を助けに来たんじゃないか」
「ありがとうございます」
ノゾミはほっとしたように、表情を緩ませたが、寂しげに陰りが見えた。
まだ不安な要素が残っているのだろうか。
だから俺は、安心させようと再び彼女を抱きしめ、そしてその延長でノゾミにキスをしようと顔を近づけた。
そうするのが男の本能というのか、俺は自分の意思に逆らえない感情の流れに流されていく。
学校の中の誰も来ない秘密の場所。
俺たちだけがここで抱き合い、いけない事と認識しながらもそれを突き破って行動を起こすこの瞬間。
ドキドキと胸が高鳴り、今から体験するワクワク感が、俺の体を動かすエネルギーとなり、俺はノゾミに欲望をぶつけようとしていた。
理性というものが頭の片隅で存在しながらも、平気で無視をし、流されるままの感情があった。
この時は、思春期の好奇心と約束を交わした事への律儀的な行為だと思っていた。
色々と言葉を並べてみても、結局自分でもなぜキスをしようとしたのか、はっきりわからないまま、俺はノゾミの顎をくいっと持ち上げた。
ノゾミの驚きが、喉を反射して小さく漏れた。
俺たちの唇がそっと重なろうとしていた──