先輩、一億円で私と付き合って下さい!
7
「お待たせしました。ハンバーグステーキです。鉄板が熱くなってます。お気をつけ下さい」
「うわ、うまそう」
素直に喜んでいる俺の向かい側で、ノゾミの姉、ユメがコーヒーカップを手にして俺を見ていた。
「本当にそんなのでよかったの? フレンチのコース料理や日本料亭でもよかったのに」
「俺、これ好きなんです。それじゃ遠慮なく頂きます」
俺が食べる姿をユメは微笑んでみていた。
この時、俺はユメとファミレスの席についていた。
一仕事終わった後の、ユメからのお礼だった。
結論から言うと、ユメと下北は完全に別れられた。
それもあっさりと、ユメの方からばっさりと斬ったのだった。
あの時、下北の態度ですでに察していたが、とどめを刺すように俺がスマホで録音した声を再生すると、ユメはスーパーサイア人ごとく燃え上がった。
プライドの高いユメは般若の顔つきで睨みつけ、そして「サイテー」と悪態ついて、グーパンした。
周りを歩いてた人達はびっくりし、沢山の視線が集まったが、男女の痴話げんかと察すると見てみぬふりを装いながら、面白そうにしていた。
下北は弁解の余地なく、されるがままに大人しく、素直に謝罪する。
それは男の俺が見ていてもかっこ悪く、いい気味だと溜飲が下がる思いだった。
「あんたね、こんなこと二度とするんじゃないよ。これから子供が生まれて父親になるんでしょ。もっとしっかりしなさい。子供を絶対に不幸にしちゃだめ」
「それじゃ妻には黙っててくれるのか」
この男は何もわかってないと思った。
俺が言わずとも、下北はもう一度グーパンを味わされていてた。
「自分の事ばっかり心配してんじゃないわよ。別に許したわけじゃない。見抜けなかった私が情けなかっただけ。これ以上私のような犠牲者を作るなって事よ。バーカ」
その後は踵を返して歩いて行った。
「お待たせしました。ハンバーグステーキです。鉄板が熱くなってます。お気をつけ下さい」
「うわ、うまそう」
素直に喜んでいる俺の向かい側で、ノゾミの姉、ユメがコーヒーカップを手にして俺を見ていた。
「本当にそんなのでよかったの? フレンチのコース料理や日本料亭でもよかったのに」
「俺、これ好きなんです。それじゃ遠慮なく頂きます」
俺が食べる姿をユメは微笑んでみていた。
この時、俺はユメとファミレスの席についていた。
一仕事終わった後の、ユメからのお礼だった。
結論から言うと、ユメと下北は完全に別れられた。
それもあっさりと、ユメの方からばっさりと斬ったのだった。
あの時、下北の態度ですでに察していたが、とどめを刺すように俺がスマホで録音した声を再生すると、ユメはスーパーサイア人ごとく燃え上がった。
プライドの高いユメは般若の顔つきで睨みつけ、そして「サイテー」と悪態ついて、グーパンした。
周りを歩いてた人達はびっくりし、沢山の視線が集まったが、男女の痴話げんかと察すると見てみぬふりを装いながら、面白そうにしていた。
下北は弁解の余地なく、されるがままに大人しく、素直に謝罪する。
それは男の俺が見ていてもかっこ悪く、いい気味だと溜飲が下がる思いだった。
「あんたね、こんなこと二度とするんじゃないよ。これから子供が生まれて父親になるんでしょ。もっとしっかりしなさい。子供を絶対に不幸にしちゃだめ」
「それじゃ妻には黙っててくれるのか」
この男は何もわかってないと思った。
俺が言わずとも、下北はもう一度グーパンを味わされていてた。
「自分の事ばっかり心配してんじゃないわよ。別に許したわけじゃない。見抜けなかった私が情けなかっただけ。これ以上私のような犠牲者を作るなって事よ。バーカ」
その後は踵を返して歩いて行った。