A lazy fellow
ある朝の。
朝  朝  朝

僕は今日、朝に出会った。

最初は誰だか分からなかったんだけど、

明るい笑顔を見せてくれたんだ。

いつも昼と夜には会うんだけど、

それとは違っていて、

これが話に聞く朝なのかって思ったんだ。

いままでごめんね。

いつも笑ってくれていたんだね。

それなのに僕は、目から世界を消してた。

見たこともない花畑を歩いてた。

大きな老樹と喋ってた。

ごめんね。

もう一度夜と会ったら、昼じゃなくて、

笑顔の君と会うことにするよ。

時の鐘の力を借りて、

体にまとわりつく悦楽の呪縛をとき放ち。

明るいあなたに会いに行く。

その時は僕から言うね。

初めて使う言葉を。

朝にのみ許される出会いの言葉を。
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