ひだまりのようなその形に幸福論と名前をつけたなら
(7月上旬 日曜日)
「あっつい…あーもう、暑い!そうめん食べよう!」
「どうしたの急に」
今年は例年より暑いらしく、特にこの日は夏休みに入る前でも汗が噴き出るよう暑さだった。
だというのに誘拐犯さんはクーラーをつけることを決して許さず、私は扇風機の前で宇宙人のように声を震わせながら、思い立ったように大声を上げた。
怪訝そうに眉を顰めた誘拐犯さんに、私は訴える。
「だって暑いでしょ、そうめん食べたくなるでしょ!それに、今日は日曜日だよ」
そう言えば誘拐犯さんは溜息をつく。しかしそれはしょうがないなぁというニュアンスを含んだ溜息だったので、私は口角を持ち上げた。
誘拐犯さんは常に乗り気ではないけれど、日曜日という言葉をつければ大抵はどんなことでも付き合ってくれる。
「で、そうめんはあるの?」
「ふっふっふー、この間買っておいたんだなぁ」
「ああそう、はいはい、偉いねー」
キッチンへ向かって、そうめんの麺と鍋を取り出す。
ひとりで暮らしていたときでもそうめんは食べていたので、いつもの要領で準備を始めた。
「あっつい…あーもう、暑い!そうめん食べよう!」
「どうしたの急に」
今年は例年より暑いらしく、特にこの日は夏休みに入る前でも汗が噴き出るよう暑さだった。
だというのに誘拐犯さんはクーラーをつけることを決して許さず、私は扇風機の前で宇宙人のように声を震わせながら、思い立ったように大声を上げた。
怪訝そうに眉を顰めた誘拐犯さんに、私は訴える。
「だって暑いでしょ、そうめん食べたくなるでしょ!それに、今日は日曜日だよ」
そう言えば誘拐犯さんは溜息をつく。しかしそれはしょうがないなぁというニュアンスを含んだ溜息だったので、私は口角を持ち上げた。
誘拐犯さんは常に乗り気ではないけれど、日曜日という言葉をつければ大抵はどんなことでも付き合ってくれる。
「で、そうめんはあるの?」
「ふっふっふー、この間買っておいたんだなぁ」
「ああそう、はいはい、偉いねー」
キッチンへ向かって、そうめんの麺と鍋を取り出す。
ひとりで暮らしていたときでもそうめんは食べていたので、いつもの要領で準備を始めた。