きみはシャボン玉。
プロローグ
僕が恋したひとは、死にたがりでした。


青空のした僕の前に現れた君。
君の瞳には青空の太陽なんて映ってなくて、まるで、暗闇の中にいるうな瞳をしていた。あのときから君の世界は真っ暗だったんだ。
だから、目の前にいる僕すらきみには映ってなかった。

「近づいたら死んでしまう」
そう思ったのは君がはじめてで、そして君で最後。

触れたら壊れそうな君はシャボン玉のように扱いづらく、でも、いつまでも見ていたくなるような儚さを持っていた。

少しでも長く、風よ、ふけ。
強すぎたら壊れるから、
強すぎなく。
弱すぎたら落ちちゃうから、
弱すぎなく。ね。
まるで、きみはシャボン玉。
キレイナキレイナ
シャボン玉。
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