きみはシャボン玉。
「うわ~、光希!あれ!ハート型だね!」

花火が打ちあがると、シズクのテンションは最高潮になった。
そんなシズクをみて、僕も楽しくなって僕らしくないテンションになっていた。
この調子なら大丈夫だ。
シズクだって、こんなに楽しそうだし。

「楽しかった~!光希、付き合ってくれてありがとう!」

「うん、僕も楽しかった。」

帰り道、待ち合わせ場所の近くの河原で2人座って余韻に浸っていた。
幸い周りに人はおらず、帰宅ラッシュは過ぎたようだ。
いつものようにシズクが本の話をし始めた。

よし。いまなら。

ドクドク。

大丈夫。

小説みたいに、スマートに。

僕らしい、僕の言葉で。

いま、シズクに。伝えたいことを、
伝えるんだ。
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