きみはシャボン玉。
「………。」


いつもみたいにヘラヘラ笑うって思ってた。
よくも悪くも。

シズクは、黙りこんだまま、下をみている。

顔が見えなくて、シズクが今どういう表情なのか分からない。

「……………えるの?」

小声でシズクが、何かを僕に問いかけた。

「…え?」

「光希にあたしが救えるの!?!?」

今までにみたことないシズクがそこにはいた。

怒りとは悲しみとは違う、
強くて、なにかを訴える顔。
聞いたことのない大きな声、震える手。

「シ、シズク…?」

「光希、なんにも知らないよね。あたしのこと。」

「え、知ってるよ、シズク。」

「光希がみてきたのは本当のシズクじゃないよ。だって、言ってないもの。見せてないもの。本当のあたし。」

本当のシズク?
なにそれ?
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