きみはシャボン玉。
第１章　｢出会い｣
僕のクラスにはひとつだけ空席がある。
その子は月島シズクとゆう女の子で、１度もこの教室に顔をだしたことはない。
朝の欠席確認も、最初こそ名前を呼ばれていたが、１ヶ月たったいま、名前は呼ばれなくなった。

僕はその子を見たことないし、たぶん、クラスの誰もその子を知らない。
まあ、僕には関係のないことだ。

僕はいたって平均的な男だ。勉強も運動も顔も。でも、そんな自分に不満はない。
学校だって、楽しくもなければつまらなくもないし、このまま、ふつーにふつーの学校生活を送るのだろう。

そんな僕にも学校にくる楽しみがひとつだけある。
それは放課後の文学部だ。
小説が大好きな僕。ファンタジーの世界がたまらなく好きで、高校では文学部に入って、小説を読むことに時間を費やしていた。
しかし、文学部とはいってもみんなが集まるのは毎週月曜日のみで、他の曜日は僕以外は部室へはこない。
これが僕にはラッキーで、月曜日以外は一人で心置きなく小説の世界に入り浸ることができるのだ。

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