きみはシャボン玉。

この小さな図書館みたいな部室は僕の一番のお気に入りの場所だ。

今日は最も好きな小説家月島ミノルの最新刊を読むため、朝からソワソワしていた。
今日のホームルームでいつもは気にしていないクラスメイトの月島シズクが気になったのは月島ミノルと名字が一緒だったからだ。
月島ミノルは切ないラブストーリーが売りで最近人気の作家さんなのだ。
僕は月島ミノルの最初の作品に心打たれて以来ずっと彼の作品をよみつづけている。

夏の始まりの合図のように風がだんだんとあったかく、生ぬるい風になり、僕の髪を揺らした。
その風の匂いを嗅ぎながら、季節の移り変わりを感じる。
その半面、僕の生活の変わりなさを思い知りながら、この生活がずっと続くことを願った。