素顔のまんま《短編》
だけどね、


今度は少しだけ違ったんだ。



いつものように目をとじた瞬間ね、


冷たい雨が突然止んだ。




不思議に思って
目をあけてみると



そこには


あの時、
雪をはらってくれた君がいた。


今度は傘を私に差し出して、微笑んでいる君がいた。



―――まだ、降っているね。
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