バックハグは恋の始まり!?
柴崎くんはイケメンなことを鼻にかけるわけでもなく、常に周囲をよく見ていて困っている人がいたら、率先して助けるような人。
イケメンなら様になるような仕草も恥ずかしいのか、滅多にしない。
だからこそ、男性社員からも好かれていて、彼はいつも男女問わず彼のことを慕っている人たちに囲まれている。
そんな彼を知っているからこそ、周囲に人がいる状況であんなことをするなんて信じられなくて・・・
私の質問を聞くと、彼は答えにくそうに私から顔を背けた。
やんわりと彼に聞くなと、拒否されている気がする。
でも、今回ばかりは引き下がりたくない・・・!
私が彼の行動のせいで、営業フロアの女性から追求を受けるのは避けられないだろう。
もしかしたら、違うフロアの女性社員からも質問されるかも・・・
柴崎くんの行動がそれくらいの影響力を持っていることは私も知っている。
柴崎くんと直接話したことない子でも憧れてる女の子はたくさんいるのだから。
それにその女性陣の行動力と情報収集力を侮ってはいけない。
改めて、これから起こるである女性陣からの追求を想像すると、憂鬱な気分になってくる・・・。
女性陣からの追求を逃れるためには柴崎くんがなぜあんなことをしたのか、説明する必要があるはず。
そのためには、私は何がなんでも彼に理由を説明してもらわなければならない。
私の普段とは違う気迫が柴崎くんに伝わったのか、彼は背けていた顔を正面に戻し、私の目を見つめてきた。