バックハグは恋の始まり!?
ほろ酔いの誘惑

そんなある日のこと、事件は起きてしまった。


その日は同期のみんなで職場の近くに最近オープンしたばかりのお店で同期会を開くことになった。

居酒屋なのに小洒落た雰囲気のあるお店でなんでも料理がとんでもなく美味しいらしい。

同期会は部署が違ってなかなか会えない子と会えるチャンスだから、私もいつも楽しみにしてる。

その日は同期会に送れないようにといつもより張り切って仕事をこなした。


私は総務課の子と待ち合わせ通り定時で仕事を終わらせることができた。

オフィスを去り際に柴崎くんのデスクを見ると、営業先からまだ帰ってきていないのか、彼の姿を見つけることは出来なかった。


四六時中なんだかんだ彼が近くにいるせいか、最近は彼の姿を探している自分がいる。

なんだかむずがゆくなってきて、急いでオフィスを後にした。



―――― ――――



私と友達がお店についた時にはまだ到着してる人は少なかった。

でも時間が経つにつれて、ちらほらと人数もが増えてきて、ある程度の人数が揃ったので先に乾杯することにした。



「カンパーイ!」


今日が金曜日ということもあり、みんなのテンションも高めで、久々に集まったというのに会話が自然と盛り上がる。

同期だからこそ、話しやすいことも結構あったりする。

例えば、恋バナとか・・・。


私は現在、絶賛彼氏募集中だ。

でも社内恋愛が始まりそうな雰囲気もないので同期の子とたまに合コンに参加してたりする。

お酒が入ると、ついつい恋バナにも熱が入っていて、気づけば、ほとんどの同期が到着していた。

その中には柴崎くんの姿もあった。

彼は普段は部署が違ってなかなか話すことが出来ない女性達に囲まれてしまっている。

さすがはモテる男だなぁーって感じがする。

当の本人は友達と話したいのか男性社員が集まってる方に行こうとしていたが、女性に止められて移動するのはあきらめたようだった。

しかし、女性達に話しかけられてもまんざらでもなさそうな様子の柴崎くん。

その姿を見ていると、なんとも言えない気持ちになってきて慌てて友達との会話に意識を集中させた。






< 5 / 22 >

この作品をシェア

pagetop