バックハグは恋の始まり!?
突然の事で理解がすぐには追いつかなかった。
気がつけば、私の体を柴崎くんの両手が後ろから包み込んでいた。
後ろを向いたままの顔を動かすことも出来ずに柴崎くんの整った顔が近づいてくる気配を感じた。
思わず、ぎゅっと目をつぶってしまう。
目をつぶっていると、何か暖かいものが私の体を包むのを感じた。
突然の事ですぐには理解ができなかった。
でも勇気を振り絞って目をあけて彼を見上げようとすると、彼の顔が予想以上に近くてびっくりした。
慌てて顔を前に戻すと、私の胸元で彼の手が交差されているのを見つけて・・・私の体を柴崎くんの両手が後ろから包み込んでいた。
固まったままの体で思考だけが冷静さを取り戻してくる。
これは、いわゆるバックハグなのだろうか・・・!?
久しく男の人に抱きしめられるこなんてなくて、否応なしに鼓動が速まってしまうのを抑えられない。
ドキドキしすぎて心臓が壊れそう・・・。
それと、このドキドキが柴崎くんにも伝わっているかと思うと、恥ずかしくてたまらない。
頭の中は抱きしめられてる理由がわからなくて戸惑っているのにこのドキドキが無くなることはなくて・・・。
抱きしめられて初めて気づいたけど、柴崎くん・・・全然ヒョロヒョロしてない。
スーツ越しに伝わる彼の体はたしかに見た目通り細いけど、筋肉質で引き締まってるって感じで・・・彼がちゃんと男性なんだと再認識する。
彼の男らしさを認識して、また私の心臓が暴れだしてしまう。
イケメンに耐性もなく、男性経験も少ない私にはこの状態はもう限界だと思い、彼の腕から抜け出そうとした。
そんな私に気づいたのか、柴崎くんは逃がすまいと今まででより強く抱きしめてきて・・・
そんな彼の行動にも耐えきれず、私がキャパオーバーを起こしていると、柴崎くんは私から腕を離した。