カエちゃんのママ


その姿は、正直間抜けに思えた。

少し微笑みながらお辞儀を返しその場を去ろうとした時、次は女の子がこちらへと駆け寄ってきた。



手を握り、そのまま私を男性の方へと力強く引っ張る。

「ちょ、ちょ、ちょっと何!」

驚いたのも束の間、女の子は無理矢理に私の手と男性の手を握りあわせた。



「パパ、カエのママだよ。」



その笑顔は太陽のように少しの曇りも無かった。




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