桜ヶ丘物語
だから、


「なぁ、斉藤鈴音は?」

「あー、瀬野(セノ)サンが来たから、そろそろ来るんじゃね?」


隣でイチャイチャラブラブを繰り広げる二人を見ないように、俺らが話を変えたのは必然で、


「あ、あれっぽい…」


玄関から出てくる鈴音を見つけたのも偶然じゃなくて、


パチ


目が合った途端、まるで「この世の終わり」みたいな表情(かお)をされたのも、もしかしたら決められていた"運命"ってヤツなのかも、しれない…。






「なんでアンタがこんなところにいるのよ…」



.
< 128 / 135 >

この作品をシェア

pagetop