あなたが生きるわたしの明日
キーボードは亜樹ちゃんのアイデアだった。
亜樹ちゃんはネイルにこだわりがあって、三週間に一度は必ずリペアと呼ばれるお直しをしながら常にきれいな爪を保っている。
そんな大事な爪が、ラベルライターのキーボードに引っ掛かっていらいらすると怒っていたのだ。
「ネイルしている女子用のキーボードが売ってるんだから、ラベルライターにだってあってもいいと思うんです! ここだけは譲れません!」
亜樹ちゃんが力説し、私たちは全員がその意見に賛成した。
「この四人で考えたんだもん。絶対、この四人で商品にしたかったの」
まさか、本当に森下さんがあんな卑怯なことをするとは思っていなかったけれど、森下さんに会ったことがあると分かったときに、私は気づいたんだ。
爽やかな森下さんだって、見た目通りの優しくて親切な人ではないかもしれないと。
「人は見かけによらないよねぇ」
しみじみと言うと他の三人も「ほんと、そうですねぇ」とうなづいた。
森下さんもまた、私たち書類整理課を見た目で判断したのだろう。
『仕事のできない人間の集まった課』だと。
亜樹ちゃんはネイルにこだわりがあって、三週間に一度は必ずリペアと呼ばれるお直しをしながら常にきれいな爪を保っている。
そんな大事な爪が、ラベルライターのキーボードに引っ掛かっていらいらすると怒っていたのだ。
「ネイルしている女子用のキーボードが売ってるんだから、ラベルライターにだってあってもいいと思うんです! ここだけは譲れません!」
亜樹ちゃんが力説し、私たちは全員がその意見に賛成した。
「この四人で考えたんだもん。絶対、この四人で商品にしたかったの」
まさか、本当に森下さんがあんな卑怯なことをするとは思っていなかったけれど、森下さんに会ったことがあると分かったときに、私は気づいたんだ。
爽やかな森下さんだって、見た目通りの優しくて親切な人ではないかもしれないと。
「人は見かけによらないよねぇ」
しみじみと言うと他の三人も「ほんと、そうですねぇ」とうなづいた。
森下さんもまた、私たち書類整理課を見た目で判断したのだろう。
『仕事のできない人間の集まった課』だと。