消えねばならない魂
「ふーん。」

ママは悲しみもしない。
場合によっては、笑とも言える顔をする。

「まあ、いいじゃない。受験に、落ちたからだろうし。」

「そーだよね!裕梨たら、あたしのことうざいって言ってたよ!あー、酷い!」

すると、はははと、ママが笑い、「裕香が生きてれば問題ない。だって、裕香は家の看板なんだから!」と言う。

ねぇ。
分からないの?

私、優香じゃないよ?
裕梨だよ?

ねぇ、裕香、安心して?
私が裕香の人生を演じてあげるから。
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