6人目
…それが通じない。

男は倒れない。

苦痛に表情も歪めない。

出血さえしない。

警察官達は目の前の光景を、悪夢としか認識できなかった。

撃たれた。

確実に男は撃たれたのだ。

なのに、何故死なない?

何故立っている?

「ならば逆に問うが」

男は走り出た。

そして警察官達の間を縫うようにして走り抜け。

「貴様らは何故こんなに簡単に死ぬ?何故こんなに脆弱なのだ?」

立ち止まった時には、全員が首や胸から血を噴き出して自らの血の海に沈んだ。

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