6人目
空いたもう片方の腕が、振り上げられた。

男はその手を拳にして、ポリカーボネート製の盾に叩き付ける!

貫通する拳。

盾を構えていた機動隊員は、まともに拳を食らって胴体を貫通される。

そしてその他の隊員達も、その拳の衝撃に耐えられずに吹き飛ばされた。

たった1発で、数十名の機動隊員が吹き飛ばされる。

映画でも見ているような、信じられない光景だった。

砂埃を立てて、這い蹲る機動隊員達。

その様子を見ながら。

「滑稽だな!」

男は笑った。

「大の男どもが揃いも揃って、大仰な装備に身を包みながら、こんなに華奢なこの俺1人を止める事も出来ず、あまつさえ1発で吹き飛ばされるとは!」

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