6人目
無敵の能力だ。

狂史郎は思う。

ディアの理屈でいけば、どんな理も掟破りで捻じ曲げる事が出来る。

ある意味、強力な再生能力を持つ不死の王(デミリッチ)ベナル・ヨアキム・シュターセンや真祖・黒十字 邪悪並みと言えるだろう。

しかし。

「気付いたか」

ディアはニヤリと笑う。

「そうとも。俺は理を捻じ曲げる掟破りの能力を持つだけの、『只の人間』だ。貴様と寸分違わぬ人間なのだよ、南条 狂史郎!」

「ふぅ…中身は化け物だがな」

狂史郎は言う。

確かに肉体は人間なのかもしれない。

だがこの世の全ての理を破る事の出来るディアは、どす黒く歪んだ精神を持つ究極のモンスターには違いなかった。

彼自身の言う通り、滅びの5人に匹敵するような。

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