6人目
全身を滅茶苦茶に破壊され、血飛沫を上げる肉塊と化したディア。

ボロ屑となったその肉体を、アスファルトに横たえる。

が。

「今貴様が殴り、ボロ屑にしたのが、どうして俺だと思う?」

背後で声。

気が付くと、狂史郎が殴り、目の前に転がる肉塊は自衛隊員の1人であった。

肝心のディアは、街灯の上に立っている。

いつの間に摩り替わったのか。

…いや、分かり切っている。

また『掟破り』だ。

ディアの能力を使えば、こんな幻術紛いの事さえできるのだ。

ディアの意思1つで、どんな理不尽で不可解な事象さえ現実に出来る。

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