6人目
「無敵!」

筋肉を張り詰めさせ、ディアは豪語する。

「この俺の知力と、この『掟破り』の能力さえあれば、俺は何物をも支配する存在になれる!世界の何物にも媚び諂う事のない支配者となれるのだ!」

「く…」

狂史郎の頬に汗が伝った。

理不尽だ。

神でも悪魔でもない、只の人間に、何故こんな能力が与えられてしまったのか。

この能力を持つ者が、何故よりによってこんな野心家、ディア・ボロスだったのか。

コイツは放っておけば、本当に並行世界の全てを滅ぼす存在となるだろう。

人間という種の存続さえ危ぶまれるような超越種、滅びの5人…いや滅びの6人の代表格となるだろう。

ここで止めなければならない。

絶対に。

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